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ターンアウトワークショップ開催!

書籍発売の翌月9月、著者・佐藤愛さんの来日にともなって、本書の名を冠したワークショップが東京・大阪で開催されました。告知とともに、すぐに売り切れとなる申し込み状況で、当日の内容も相当濃いものだったと、参加された方の声がSNSを通じて聞こえてきました。その様子を、著者の愛さんにおうかがいしました!

まず本にちなんだワークショップ、「バレエスタンスワークショップ」と「ターンアウトワークショップ」を企画された狙いを教えてください。

日本語が話せる人、誰もが正しい文法で日本語の文章が書けるようになるわけでないように、残念ながらバレエをやっている全員が正しい立ち方を会得できるようになるわけではありません。立ち方ができていなくても脚を高く上げたり、ジャンプしたりすることはできますから、自分が正しく立てていないと気づかない人も多いですね。

どのような方たちが参加されたのでしょうか?

中学生以上のダンサー、現役プロやバレエ教師の皆さんはもちろん、バレエダンサーのトレーナーさんや、他のジャンルのダンサー、例えば社交ダンスやモダンダンスなどの方もいらっしゃいましたよ!

なんと3時間半、みっちりと行われたクラスのようですが、その内容を教えていただけますか?

ふふふ。秘密です。
嘘です。
本に書いてあるエクササイズをやっただけですよ! 「だけ」というと語弊があるかもしれませんが、正しくできているか、自分の癖にとらわれていないか、細かい注意は頭に入っているか? を一つずつ確認していきました。

本に書いてあるように、このシリーズではエクササイズの難易度が3段階になっています。
なので、自分ができていないエクササイズのレベルを確認したり、できていないエリアを理解したり、と「今の自分」にフォーカスを当てて勉強していきました。
できるエクササイズを繰り返していても、上達はしません。
難しすぎるエクササイズを正しくないフォームで行っていても意味がありません。
またエクササイズがどうやってレッスンに関係していくか? も毎回考えてもらいました。

特にターンアウトワークショップでは紙の上で1番ポジションで立ち、エクササイズを1つ行うたびに、ターンアウトが上達していく様子を記録してもらいました。
ただエクササイズをしていても、バレエは上手になりません。
レッスンの動きでも効果を感じてもらえれば、ダンサーはエクササイズを継続してくれると思います。

実際にワークショップを体験された参加者の方たちはどんな感想を持たれていましたか?

凹んでいる人も多くいましたよ。
立ち方やターンアウトというのは、バレエ歴が長ければ長いほど癖になっています。頭で分かっていても、実際に出来なかった自分と向きあうのは教師でも、プロでも悲しいところがあります。
ですが、これをポジティブにとらえ、まだ自分には伸びしろがあるんだよ、と理解してもらえたら嬉しいです。
簡単なワークショップではありませんから、ついていくのが大変だった、予習が足りなかったという人達もいましたし、体が変わって目がキラキラしていた子供たちもいました。

また今後も、このワークショップの開催予定はあるのでしょうか?

凹んでいる人も多くいましたよ。
はい、こちらのワークショップは継続して続けていく予定です。立ち方ができなければターンアウトはできない。ターンアウトができなければ安全に踊ることができない。
なので、より多くのダンサーや教師の皆さんにこの本の内容を知ってもらえるように、地方などでも行っていければと思っています。

ワークショップに参加できない読者の方たちも、自分で本をもっと有効に使っていくには、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?

まずは、「知ってる」と「やってる」が別ものだという理解をすることでしょうか。
本で「知識」を入れるのはいいことですが、前述したようにレッスンに使えなければエクササイズの意味はありません。今は誰でもスマホを持っているのだから、自分がエクササイズしている様子を動画でとって、「正しくできているか?」を忠実に確認したらいいと思います。
ダンサーはいつでも鏡の前でレッスンを行いますが、自分を鏡で見て、即座に直す、というのはかなり難しいこと。その練習にもなるので、動画で確認していくのはいい手だと思います。また1か月後、3か月後の自分と比べることができるので、上達しているかを確認することもできますしね。

読者のみなさんへ、メッセージをお願いします。

立ち方も、ターンアウトも上達します! バレエ歴や年齢と関係なく。
でも、超有名バレエ団のプリンシパルでさえプリエからレッスンを始めるように、繰り返しは大事ですし、有名バレエ学校だって3年コースなのを考えると、そんなに早く結果が出ないときもあります。正しい方向への努力は結果に繋がるということを頭に入れて、毎日頑張ってくださいね!

おわりに

日々練習を続けていても、なかなか自分の踊りが変わらなくてがっかりしてしまうことは多々。そんなときにもう一度、基本に立ち返ることを本シリーズではご提案しているわけですが、この時の「エクササイズ」の取り組み方、これが肝心なのですね。

「ひと通りやってみた」ではなく、「本当にできているかどうか」を細かく検証してみる。自分の動画をとってみるというのはとてもいい手ですね。特別サイトの動画で正しい動きは確認できますので、その様子と比較してみるのもよさそうです。
なにしろ星の数ほどあるエクササイズから、テーマに対して特に効果的なものを愛さんが厳選してくださった内容。たとえワークショップに参加できなくても、地道に自分なりに向かい合えば、必ず結果は出るはずです。
「継続は力なり!」を胸に、日々取り組んでいきましょう!