詩集 心という臓器
内容紹介
Contents Introduction
人なる宿命を生きるあなたに 一服の詩を届けます
「過去の嘶き」
明日とは根拠なき希望
目覚めればたちまち今日となり
生きれば生きるほど 過去の頂に立たねばならない
時に滑落し
謝罪も償いも届かない あの日が蘇る
なぜつらい記憶ほど心を突き破り
何度も芽吹くの
今日という日を
また苛まれながら生きるのなら
人生の喜びは どこにあるの
日々の隊列に割り込んでくる
この陰鬱な訪問者は
他ならない自分自身
その口元が偶蹄類のように
畏怖を反芻しながら
性懲りもなく
自分を哀れんで 啼くのよ
目次
過去の嘶き/永遠の片隅/厳罰に眠れ/鎮魂/執行の翼/折り紙/末期の恋/夭逝のあなた/見つめ合う悪意/虐待/暗示の陰影 /命の余白/死への脈略/自己防衛/拒否/縁/灯り/捨て身/一人ぼっちの憎悪/捨て犬の恋/送り狼/葬送/過重/台本/聖母の診療所/息の交差点/傷心/風灯/逆鱗/吃音/随に/雨に想う/意識の介在/最愛/禍福/御霊/狂気/行きずり/言の葉/深層に眠る
著者プロフィール
Author Profile
本名 小西雪子