随筆集 麗子の肩かけ


 

楡木佳子

1100円

2024年5月15日

四六判/上製

186

978-4-8096-8702-0

内容紹介

Contents Introduction

「媼、八十路前後の等身大」は意外に若く美しい
トロンボーン奏者のように自らも「完全燃焼して生きる瞬間がほしい」と切に願ったり、「楽器の仲介」を申し出て旧友への友情が深まったり、その一方で「老いは識らぬまに忍び寄るらしい」とも自覚する。独り暮らしで「街の片隅にきっちり存在し続ける」老女の、鮮やかな生きざま!

目次
重いスーツケース
 愛しのルンバ
 見知らぬひとと
 庭は花ざかり
 父とアンデルセン
 隣の床屋さん
 靴のなかの事情
 テオにはなれないけれど
 重いスーツケース( 第七十二回栃木県芸術祭「準文芸賞」)
麗子の肩かけ
 不思議の国カタール
 山の景色
フジコ・ヘミングの時間
 書院からみた吉野山
 いまどきの若いお父さん
 三月のたけのこ
 さや香はこう戦った
 麗子の肩かけ(第七十五回栃木県芸術祭「文芸賞」)
孫息子のキャベツ
 支えられて浮いている
 マスクのなかの声
 コスモスが揺れて
 お茶は濁さない
 重い扉を押しあけて
楽器の仲介者
 雨の日の買い物
 卵が三十個
 孫息子のキャベツ( 第七十六回栃木県芸術祭「文芸賞」)
めおとぜんざい
 夫婦旅
 山荘仕舞い
 七年後の涙
 八百屋の店先で
 パトカーを従えて
 最期の贈り物
 わたしにはない―愛する娘たちへ―
 めおとぜんざい

著者プロフィール

Author Profile

1940 年 栃木県に生まれる。
青山学院大学英米文学科卒業。
子育て終了後、立正大学大学院で博士号(心理学)取得。
2015 年、長年の保護司活動により藍綬褒章を受ける。